前回の記事で、以下の点をお伝えしました。
- 宿泊施設全体の客室稼働率はここ数年上昇を続けている
- 稼働率上昇の大きな理由は外国人客の増加である
- ホテルに比べ、旅館の稼働率は圧倒的に低い
今回は、旅館の現状にフォーカスを当てて見ていきます。
毎年1,000〜2,000施設が廃業
総務省統計局のデーターによれば、16年3月末時点で全国に40,661軒の旅館が存在しています。
結構たくさんあるものですね。
では、これまでの旅館数の増減の推移を見てみましょう。
実は、旅館の数は1982年から減少を続けています。
36年前(1981年)の83,226軒をピークに、現在はその半分以下になってしまいました。
毎年1,000〜2,000軒の旅館が廃業しています。
一方、次のグラフはホテルの数を示したものです。
旅館とは対照的に増加を続け、16年には過去最高の9,967軒となりました。
旅館とホテルの部屋数
軒数だけを見ると、16年でも旅館4万軒に対してホテルが1万軒なので、まだまだ旅館の方が圧倒的に多い状況です。
しかし、軒数ではなく、供給している客室数で見ると全く違う景色が見えます。
実は、ホテルの方が1軒あたりの客室数が多く、合計の客室数ではすでに旅館を上回っています。
この数字は2010年に逆転しました。
直近では旅館の客室数が70万室なのに対し、ホテルは85万室です。
ホテルは客室数が増加しながらも稼働率が堅調に上昇する一方、旅館では客室数が減少しても稼働率が微増にとどまっている。
これが宿泊業界の現状です。
旅館のインバウンド取込みの苦戦
「近年の宿泊業界の活況は、外国人観光客の影響が大きい」ということは前回の記事でご説明しました。
しかし、旅館の稼働率はあまり上昇しておらず、軒数の減少にも歯止めがかかっていません。
インバウンドの恩恵という点では、旅館はホテルに大きく遅れをとっているようですが、これはなぜでしょうか?
その理由について、弊社が今持っている「仮説」を列挙していきます。
①旅館としての認知度の不足
- 旅館という宿泊施設が存在することを知られていない
- 旅館とホテルの違いが認識されていない
- 旅館の魅力が伝わっていない
②予約経路の不足
- 旅館の自社HPが多言語対応しておらず、日本語でしか予約できない
- 海外の宿泊予約サイトに出稿していない
③外国語対応の遅れ
- 外国語対応の遅れから、外国人客の満足度が上がらず、体験がシェアされない
④ニーズの不一致
- 布団ではなく、ベッドで寝たい
- 食事付きのプランは求めていない
以上、旅館の現状と弊社が考える課題についてご説明しました。
課題の部分はまだ仮説ですので、これから検証し、旅館の復活に貢献していきたいと考えています。
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