フリーフロム(Free From)食品とは、「何かが入っていないことが明示されている食品」です。
ミートフリーやグルテンフリーといった、〇〇フリーと書かれている食品や料理がフリーフロムにあたります。
弊社では、フリーフロムに対応できるレストランの検索サイト「Vegewel」や、Webメディア「Vegewel Style」を運営し、こうした食品を必要とするユーザーと2年に渡ってコミュニケーションを取ってきました。
そして、最近はフリーフロムの市場に関して食品メーカーからよく問い合わせを頂きます。
欧米ではすでに当たり前となりつつあるフリーフロムですが、日本でも食品メーカーが新規事業として注目を始めているようです。
本日は、このフリーフロムの市場についてご紹介したいと思います。
フリーフロム食品とは
前述したように、〇〇フリーと謳われている食品をフリーフロム食品と呼びます。
具体例をあげると、
- ミートフリー(肉不使用)
- エッグフリー(卵不使用)
- デイリーフリー(乳製品不使用)
- グルテンフリー(小麦などに含まれるグルテン不使用)
- ソイフリー(大豆不使用)
- GMOフリー(遺伝子組換え作物不使用)
- MSGフリー(グルタミン酸ナトリウム、いわゆる化学調味料やうまみ調味料不使用)
- シュガーフリー(砂糖不使用)
などがあります。
また、少し広い範囲を表すものだと、
- アニマルフリー(動物性原材料不使用)
- アレルギーフリー(アレルギー原材料不使用、国によって異なる)
- 添加物フリー(添加物不使用)
というものも。
さらに、少し抽象的な表現ではありますが、
- ギルトフリー/ギルティフリー(罪悪感なし)
- クルエルティフリー(残酷さなし、動物実験をしていないなど)
といった言葉も生まれています。
ちなみに、「〇〇フリー」は「ノー〇〇」と表されることもあります。「ノーミート」や「ノーエッグ」など。表記にはいくつかパターンがありますが、意味するところは同じです。
食品メーカーの新規事業として
弊社ではベジタリアン・ビーガン・グルテンフリーなど、食の制限がある人向けの情報サイトをメインに事業を運営しています。
フリーフロムの文脈では、以下のものをカバーしています。
- ミートフリー
- アニマルフリー
- エッグフリー
- デイリーフリー
- グルテンフリー
- アレルギーフリー
そして、食の制限(フリーフロム)に対応することを「食のバリアフリー」と定義し、食品メーカー向けの勉強会「食のバリアフリーカンファレンス」を主催しています。
「植物性とグルテンフリー」「ハラールと代替タンパク」をテーマに、これまでに2回開催しました。
第一回レポート
https://frembassy.jp/news-post/conferencereport/
第二回レポート
https://frembassy.jp/news-post/conferencereport2/
大手の食品メーカーを中心に合計で100名の方にご参加頂き、フリーフロム市場の注目度の高さを感じています。
一方で、注目度は高いながらも、なかなか市場に踏み込めないメーカーが多いことも事実です。
フリーフロム市場の難しさ
食品メーカーがフリーフロム市場に参入できない理由として、もっとも多い理由が次の2つです。
- 小売の棚を確保できるか見通しが立たず、稟議が通らない
- コンタミネーションのリスクを排除しきれない
フリーフロムの概念はまだ新しく、ユーザーのニーズが顕在化しきっていない市場であるとも言えます。
フリーフロムの食品を必要とする人がどれだけいるのか分からない、つまりメーカーや小売からすれば、どれだけ売れるのか分からないという状態です。
大きい企業であればあるほど、商品開発をする際には販売見込みの数字を求められます。開発担当者がフリーフロムの商品を作りたいと思っても、数値データが乏しく、なかなか上を説得できないという状態に陥っているようです。
また、「何かが入っていない」と謳う以上、万が一入っていたら大問題となります(コンタミネーション)。アレルギーなどの場合は重篤な症状を引き起こす可能性もあり、フリーフロムを謳うことの責任リスクを嫌うケースも少なくありません。
大手企業の商品例
まだ例は少ないですが、大手でフリーフロム商品を展開している企業もあります。
イオンのPBトップバリュには「グリーンアイフリーフロム」というラインがあります。
https://www.topvalu.net/gurinai/freefrom/
大塚製薬のSOYJOYはグルテンフリーで、一部完全植物性(アニマルフリー)のものもあります。
https://www.otsuka.co.jp/soy/
ニッポンハムの「みんなの食卓」は、特定原材料7品目に対応したアレルギーフリー商品です。
https://www.food-allergy.jp/coping/products/
フリーフロムと引き算の健康志向
日本ではまだこれからですが、世界的にフリーフロムが注目されているのは、健康志向の流れの一つだと考えています。
これまで、健康になるためには、「どうやって足りない栄養を補うか」という考え方が主流でした。サプリなどが典型例です。これを弊社では「足し算の健康志向」と呼んでいます。
一方で、「自分に合わないものを取り込まない」という「引き算の健康志向」も大きくなってきていると考えています。
基本的に、食べ物に「良い」「悪い」はないというのが弊社のスタンスです。万人の身体に良い食べ物も、逆に悪い食べ物もありません。天然のものが良くて、化学的なものが悪いとか、そんな単純な二項対立でもありません。
しかし、身体に「合う食べ物」と「合わない食べ物」は存在します。重篤なアレルギーほど顕著なものでなくても、食べ物によってなんとなく不調を起こすということもあり得ます。
この「身体に合わない食べ物がある」という認識が高まるにつれ、フリーフロムの市場はもっと活性化して行くでしょう。
フリーフロムに関するご相談
弊社ではフリーフロム商品の開発や商品認知拡大のサポートを行なっています。
お困りのことがあれば以下からお気軽にお問い合わせください!
https://frembassy.jp/contact/