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インバウンド:後ろ向きなニーズからの訪日誘客

久々に記事を書きます。

相変わらず連日インバウンド関連のニュースを耳にし、訪日客数も伸びているようで、市場の盛り上がりを感じています。

とはいえ、日本の外国人旅行者受け入れ体制はまだ課題が多く、「観光立国」化を実現できるかの勝負の時期に差し掛かっていると言えるでしょう。

これまでは「日本に来た外国人をどうすれば集客できるのか?」という視点で書いた記事が多かったのですが、今日はもう少し大きな視点から、「どうすれば訪日外国人を増やすことができるのか?」を考えたいと思います。

クール・ジャパンだけでいいのか

訪日外国人を増やす施策を考えるとき、最初に頭に浮かぶのが「クール・ジャパン」というコンセプトです。
「日本は素晴らしい国であり、その良さを世界に伝えれば、お客さんは増える」という構想ですね。

「クール・ジャパン」というネーミング自体がクールじゃないという個人的な意見は置いておくとして、世界中の人々に旅行先として選ばれるためにはとても重要なことです。

そして、旅行先として選ばれるためには、「旅行先としての選択肢に入らない状態」を無くすことが重要だと考えています。
今日はこの点を詳しく説明します。

人には「あれしたい、これしたい」という前向きなニーズがあると同時に、「あれだけは避けたい」という後ろ向きなニーズが強く存在しています。

この後ろ向きなニーズとは、「最低条件」と言い換えてもいいでしょう。
後ろ向きなニーズに抵触した時点で、選択肢から外れてしまいます。

例えば、全く泳げない人が夏休みの予定を立てる時、プールや海水浴は選択肢から外れますよね。
いくらプールや海の素晴らしさを伝えたところで、そもそも検討の土台に上がっていません。

では、旅行における後ろ向きなニーズとは何でしょうか?
思いつくだけ挙げると、次のような項目になります。

①治安・衛生環境
②物価
③距離
④食事
⑤コミュニケーション

旅行における後ろ向きなニーズ

それでは1つずつ見ていきましょう。
これらの項目は日本に特有というわけではなく、どこの国に旅行するにしても共通するものです。

①治安・衛生環境

特に子ども連れで旅行する場合、まず最優先されるのは治安や衛生環境でしょう。
どれだけ素晴らしいエンターテイメントが揃っていようと、強盗に合う可能性が高い国や、安全な飲水が手に入らない国を旅行先として選ぶ親はあまりいません。
身体の安全が確保できない国は選択肢から外れることになります。

②物価

旅には予算がつきものです。
学生や若い世代、所得の低い国の人々が旅行する場合、「物価が高い」と認識されている国は選択肢から外れることになります。
また、これは為替の動向にも大きく左右されます。
最近の訪日客の増加については、円安による旅行の「割安感」が影響している点も考慮しなければなりません。

③距離

海外旅行する人のうち、8割は自国に近いエリアを訪れると言われます。
訪日外国人の過半数がアジア諸国からの旅行者であることからも、このことが伺えます。
休みが短い場合などは特に近隣国が好まれ、遠方の国は選択肢から外れるでしょう。

④食事

日本では意識する機会は少ないですが、世の中には「食べないもの、食べられないもの、食べてはいけないもの」を持つ人が数多く存在します。
単に好き嫌いという話ではありません。

程度の差はありますが、
ベジタリアンは肉を食べません、
卵アレルギーの人は卵を食べられません、
イスラム教徒は酒を飲んではいけません。

こうした制約がある中で、必要な食事を得ることが困難だとすれば、その国は旅行の選択肢から外れる可能性があります。

⑤コミュニケーション

自分が話せる言葉が全く通じない国に行くのは勇気がいります。
旅行中の困難が目に見えているのであれば、もっと楽に行動できる国が好まれるかもしれません。

訪日外国人を増やす

訪日外国人を増やすには、クール・ジャパンのようにプラスの面を発信するだけでなく、上記で挙げたようなマイナスの面を解消し、日本を「選択肢」としてもらう必要があります。

では、日本のマイナス面はどこにあるのでしょうか。

治安や衛生環境については、幸い日本はあまり心配しなくて良さそうです。
物価と距離は、ある意味どうしようもありません。
距離は移動技術の発展を待つしかありませんし、物価についても為替が大きく影響します。

努力する余地があるのは、食事とコミュニケーションの分野だと思います。

「料理から肉を抜いてくれと頼んだら、味が変わるからと断られた」
「英語が通じず、電車で目的地にたどり着くだけで一苦労だった」

外国人からのこういった嘆きは、これまでイヤというほど耳にしてきました。

日本全体として、後ろ向きなニーズに取り組む方向に進んでいくよう、弊社としても色々仕掛けていきたいと考えています。

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