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アメリカ人旅行者は日本で何をするのか

「統計で見るインバウンド」シリーズ、今回はアメリカです。

最近のインバウンド市場では中国を中心とするアジア諸国が注目されていますが、実はまだまだ存在感のあるアメリカ人旅行者について見ていきたいと思います。

訪日アメリカ人数の推移

まず、アメリカ人がどれくらい日本に来ているのか見てみましょう。
アメリカからの訪日旅行者数

08~09年はリーマンショック、11年は東日本大震災の影響を受けてアメリカからの訪日客数は大幅に減少しました。
この辺りは他の国と同じですね。

その後13年にはリーマンショック前の水準を回復し、14年には89万人と過去最高を記録しています。
15年1~6月の訪日客数は50.7万人となり、このまま行けば今年は100万人に届くかもしれません。

グラフの上の赤字は、その年の訪日外国人数の順位を表しています。
アメリカは06年まで韓国と台湾に次ぐ3位を維持していましたが、その後中国と香港が台頭し、現在は5位に下がっています。

また、30%近い伸び率を示しているタイ(15年1~6月42.4万人)がすぐ後ろに迫っており、目先はタイと5位を争うことになりそうです。

アメリカ人の訪日目的

アメリカ人の訪日目的を表にしました。
アメリカ人の訪日目的

純粋な観光客といえるのは全体の3分の1程度のようです。

商談と社内会議だけでさらに3分の1を占めています。
アメリカ人は東京を訪れる比率が特に高いのですが、これはビジネス目的での来日が多いことが影響しているのでしょう。

もちろん、ビジネス目的で来日していても週末は観光に出かけたりするので、彼らを「観光客」として取り込むことは可能です。

アメリカ人は訪日中に何をするのか

ここからは訪日中のアメリカ人の行動について見ていきます。

旅行中にしたこと

アメリカ人の特徴を明確にするために、中国人と比較しています。
「旅行中にしたこと」について両国の回答率の差をポイント(P)で表し、乖離が大きい順に並べました。

これによると、アメリカ人はあまり旅館に宿泊しません。
ビジネス目的の人がホテルに宿泊することに加え、純粋な観光客もゲストハウスやAirbnbなどを利用して安価に宿泊することが多いからだと思われます。

一方、中国からの観光客は団体旅行者が多く、旅館が引き受け先となっているのでしょう。

文化体験についてはアメリカの方が積極的です。

同じ文化圏である中国人にとっては、日本文化は新鮮みに欠けるのかもしれません。
短期間の滞在でショッピングに忙しく、文化体験に割く時間がないという事情もあります。

また、アメリカ人はあまり温泉に入っていません。
アメリカ人はタトゥーを入れている人も多く、日本の温泉がタトゥーを受け入れないため、避けているということもあるでしょう。

この点については最近話題になっており、タトゥーがシールで隠せる程度の大きさなら入湯を許可する動きになりつつあります。

アメリカ人にツアーを実施して

弊社では外国人の行動パターンを知るために、月に数回外国人向けに小さなツアーを行っています。
8/10と8/14に実施したものが両方ともアメリカ人でした。

簡単ではありますが、ツアーの中で気付いたことをまとめます。

Case1 ファミリー

ニューヨークから来た40代白人女性2人、10代のアジア系の女の子1人、10代の黒人の男の子1人の計4人。
少々複雑な家族構成ですが、人種の違う子どもを養子として迎えるのはアメリカではそれほど珍しくありません。

広島から入って、宮島と京都を周り、東京から帰国するという全1週間の旅程でした。
東京での宿泊場所はマンダリンオリエンタルホテル。

当初浅草を案内する予定でしたが、すでに京都で歴史的なものは見たので、急遽新宿を案内してほしいとのことでした。
こういった臨機応変(?)なところはアメリカ人らしいですね。

とは言え、昼の新宿にはあまり観光するところはありません。
それでも行きたいということで、とりあえずドンキホーテにお連れしました。

ドンキホーテはなかなか楽しんでもらえたようで、特に興味を示していたのが次の二つです。
・つけまつげ
・食べ物柄の靴下

どちらも確かに日本らしいものです。
結局買いませんでしたが、靴下は相当迷っていました。

簡単にモノを買わない当たり、アメリカ人的と言えるかもしれません。
その後はTOHOシネマのゴジラを背景に記念撮影。

ずっと「Green Tea Mochi(抹茶もち)」を食べたいと言っていたので、売ってるお店を探して向かうことに。
すると、目の前にクリスピー・クリーム・ドーナツが出現。

男の子が抹茶もちよりもドーナツが良いと言い出したため、おやつはドーナツに変更。
アメリカ人であっても決定権は子どもにあるようです。

家族をターゲットとする場合、まず子どもにうけないといけません。

また、湿疹用のクリームが欲しいということで薬局に連れて行きました。
薬剤師さんに話を聞き、「とりあえず試してみる」ということで購入。

中国のみならず、アメリカでも日本の薬は人気があるのでしょうか。

そうこうしているうちに、「18時にギリシャから電話がある」との謎の理由でホテルに帰着してツアー終了。

そう言えば、歩いている時に一つ面白い質問を受けました。
「子どもを連れてカラオケに入れるのか?」

私たちにとっては当たり前のことでも、外国人にはそうではないんですね。

Case2 単独旅行者

シカゴから来た20代女性。
一緒に来る予定だった友人が骨折してしまい、急遽一人旅になってしまいました。

宿泊場所はAirbnbで確保した西新宿のマンション。
Airbnbの利用は初めてとのことでしたが、気に入ったので次回以降も利用するようです。

韓国のソウルと東京、箱根を11日で巡る旅程。
今回のツアーでは半日かけてビッグサイトで開催中のコミックマーケット、上野の下町風俗資料館、根津神社、都庁の展望台にお連れしました。

日本食に対する興味が強い人で、すでに寿司、焼き鳥、お好み焼き、串カツ、うなぎには挑戦済み。
さらに別の日本食を食べたいとのことで、上野のアメ横でたこ焼きを紹介しました。

タコを食べられることを先に確認したので気に入ってもらえましたが、そもそもタコに抵抗がある外国人は少なくないのでご注意を。

下町風俗資料館では日本の古い家が再現されているほか、昔ながらのおもちゃを手に取って遊べるのでおすすめです。
1時間もあれば回れてしまう小さな博物館ですが、「とても良かった」と喜んでもらえました。

上記の統計にも表れていますが、アメリカ人が日本の文化体験に興味を持っているという一例です。
その後、観光客がほとんどいない根津神社と東京を一望できる都庁の展望台を訪れ、ツアーを終了です。
以上、今回はアメリカからの旅行者についてご説明しました。

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