前回の記事では、ベジタリアンの種類やベジタリアンとなる背景など、基本的な知識をお伝えしました。
それらを踏まえた上で、今回は外国人ベジタリアンが日本で直面している困難について考えたいと思います。
日本でのベジタリアンの困難
ベジタリアンが抱える問題を一言で表すと、「食べられるものがない」ということです。
では、なぜこの問題が起きるのか、理由を見ていきたいと思います。
①ベジタリアニズムが理解されていない
そもそも、日本では「ベジタリアニズム」自体が理解されていないということが大きな要因として挙げられます。
「ベジタリアン」と聞いて、「肉を食べない人」ということは連想できても、それ以上の知識はないという人も珍しくありません。
外国人ベジタリアンがレストランで、「私はベジタリアンなので肉を抜いてください」と頼んだにも関わらず、サラダにはベーコンが入っていたというのは良く聞く話です。
また、最も避けるのが難しいのが魚です。
日本の食文化は出汁と深い関わりがあり、出汁には鰹などの魚が使われていることが多いです。
「ベジタリアンが魚の肉を食べないのは分かるが、出汁までは気にしないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
それはまさに「ベジタリアニズムが理解されていない」ことの証と言えるでしょう。
もちろん人によって厳しさの差はあるものの、ベジタリアンは出汁であっても動物性のものは口にしません。
つまり、うどんや蕎麦でさえもベジタリアンからすれば「対象外」となってしまうわけです。
(ざるうどん・ざる蕎麦でつけ汁を使わなければ大丈夫かもしれませんが)
②交渉できない
日本語を話せない外国人ベジタリアンは、レストランで「あれを抜いてくれ、これを抜いてくれ」とお願いすることができません。
前述した出汁のように、見た目からは動物性か判断できないものも数多く存在しており、自分だけで対処することは困難です。
また、仮に片言の日本語で「肉を抜いてください」とレストランでお願いしても、「味が変わるから」等の理由で断られることも珍しくありません。
特別対応に係るレストラン側のオペレーションコスト等を考慮すると、最初から「ベジタリアンメニュー」を設置しているレストラン以外では対応が難しいのが現状です。
③原材料が読めない
外国人はレストランだけで食事をするわけではなく、コンビニやスーパーなどで食事を購入することもあります。
そして、商品パッケージには原材料表が掲載されているため、動物性のものを避けることはレストランよりも簡単かもしれません。
しかし、問題は原材料表が日本語表記のみであるという点です。
パッケージの限られたスペース内で、原材料を多言語で表示するというのは現実的ではないでしょう。
この課題を解決できるのはITの分野かなと思っています。
以上、外国人ベジタリアンが日本で直面する課題についてご説明しました。
弊社は「ベジタリアニズムを広める」という立場にはありませんが、様々な属性の人が日本での滞在を楽しめるようにサポートしたいと考えています。
ベジタリアン、ハラル、アレルギーなど、食の分野にはまだまだクリアすべき課題が山積みなので、これからどんどん挑戦していきます。
【参考記事】
2017年の訪日外国人ベジタリアン〜人数と市場規模〜
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